まずはじめに、物語とは何か?ということを考えてみましょう。
そんなことは分かっている、と思われるかもしれませんが、実はこれが演出をやる人間が、最初にきちんと理解すべきポイントです。なぜなら、経験の浅い人ほど戯曲を単なるセリフの羅列、心情の連鎖、キャラクター同士のコミュニケーションに過ぎないと考えてしまいがちだからです。
それは戯曲(=物語)のほんの上っ面に過ぎません。なぜなら物語には、必ず寓意(=隠された意味)があるからです。このことについては「脚本理解」の項で詳しく解説したいと思いますが、まずはここで概要を理解してもらいたいと思います。