「脚本の書き方講座」と銘打っていますが、脚本でもシナリオでも戯曲でも、はたまた小説でも、これから何か物語を書いてみたいと思っている方のために、物語を書くための基本テクニックを紹介したいと思います。僕が普段、脚本を書く時に意識していることを着想〜プロット〜執筆〜推敲の4段階に分けてザックリとまとめています。
ですが、上達の一番の早道は“とにかく書く”ことです。あれこれ理屈を考えるより、書きたいなら書きましょう。
1ページ、1ページは大した分量ではないので、気楽に読めると思います。その分物足りないこともあると思うので、もっと本気で学びたい方は、良い本を見つけてください。あるいは、みっちりと教えてくれる講座に通うのも良いでしょう。僕なんかよりもはるかに偉い先生方が、きちっと教えてくれるはずです。
ですが、いきなりそんな高価な講座に通うのもなんだし、本もどれを読んだらいいか分からないし…という方は、チラリと目を通してみてください。皆さんのお役に立てる内容があるかもしれません。
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noteというサイトでも全ページを公開しています。
有料マガジン(350円)ですが、全ページ広告なしでご覧いただけます。
内容は、まったくいっしょです(笑)ゆっくり読みたい方だけどうぞ。
目次
はじめに
僕のサイトでは、これまでも長い間、脚本におけるキャラクターの役割に焦点を当てた「脚本の書き方」を紹介してきました。それは何よりも、脚本を書き“始め”る方にとって、とっかかりやすいかな、と思ったからなのですが、記事を公開してから何年も経ってしまいましたし、今だにたくさんの方に見に来ていただいているようなので、サイトのリニューアルを機にこの脚本の書き方講座も内容を一新しました。
今回は、脚本というだけでなく、演劇における戯曲でも、映画におけるシナリオでも、小説の書き方としても参考になるように「物語の書き方」という形で紹介したいと思います。
以前の「脚本の書き方」が「順番通りに考えていけばだいたいプロットができる」というテクニック主体のものだったのに対して、今回は「脚本において必要な要素の解説」といった感じです。頭から順に読んでいただくと分かりやすいように書いてありますが、自分の知りたいところだけ眺めるのも良いと思います。書き始めたら結構な分量になってしまったので、ゆっくりとお好きなように使ってください。
もちろん、以前の「脚本の書き方講座」も残っていますし、時折引用もしています。あわせて参考にしてください。
自分なりの書き方を見つける
くり返しになりますが、うまくなるための最も早い近道は「ひたすら書くこと」です。こんな文章をいくら読んだところで、うまくはなりません。何よりもまず、書いてください。これは、非常に大事なことです。
- まず、書く。
- そして困ったら、何かいい解決方法がないか探す。
- 参考になるものがあったら、それ使って書く。
- そしてまた困ったら、また探しに来る。
「作品を作る」というのは、頭の中にあるぼんやりしたイメージに言葉や形を与えていく作業です。プラモデルのようにあらかじめパーツが用意されていて、設計図通りに組み上げればいい、というものではありません。ここで紹介する方法論は、ニッパーや接着剤にはなれても、パーツそのものにはなれません。困った時に使う道具だと思ってください。
それに、物語の書き方など、作家が100人いたら100通り違うものです。だれかの書き方に従っている以上、いつまでも本当にいい物語は書けません。ここで言ういい物語とは、あなたにしか書けない物語、ということです。最終的には、自分なりの書き方を見つけていくしかないのです。
世の中には、たくさんの方法論があります。僕なんかよりも遥かに立派な先生方が、もっと深く考察された脚本(戯曲、シナリオ、小説等々…)の書き方を教えてくれます。ぜひ、たくさん学んでください。方法論はたくさん仕込んで損はありません。それは自分の作品の幅を広げてくれます。
僕自身、劇作を教えるワークショップで講師を勤めて、参加者の方々の芝居をいっしょに作っていく中で、本当に様々なスタイルの芝居の作り方を学びました。おかげで、いろんな脚本を書けるようになりましたし、一本の芝居の中にたくさんの要素を詰め込めるようになりました。ぜひたくさんの方法論を仕込んで、いろんな種類の台本を書けるようになって、自分の幅を広げて下さい。
- たくさん、インプットする。
- そしてたくさん、書く。
- その中から、自分の書き方を見つけていく。
これが物語を書けるようになる、最短ルートです。
物語を書いてみたいけど、踏み出せない人のために
最後に、この講座を作った理由を書いておこうと思います。
僕は20年近く、子供たち向けや、一般の方向けのワークショップで講師を勤めています。その中で意外とよく聞くのが「実はちょっと、本を書いてみたいんですよね」という言葉です。通っているお子さんのお母さんだったり、普段は会社員や主婦をしているワークショップ参加者だったり、年齢も立場も様々な方が「本当は本を書きたい」と思っているのです。
本当に素晴らしいことだと思うのですが、皆さん口を揃えて言うことは、
- でも、どうしていいか分からないし…
- いきなり講座に通っても、ついていけるか分からないし…
- そもそもそんな時間も余裕もないし…
本当にそうだと思います。
ただでさえ忙しい毎日の中で、新しいことに挑戦するというのは、簡単なことではありません。だから、このページを作ってみました。こうしてネットに公開しておけば、いつでも好きな時に見に来ることができますから。
この講座では、僕がいつも意識している、物語を作るための基本的なテクニックを、物語を思いつくところから書き終えて推敲するところまで、ざっと説明しています。
気楽に読めるよう、長くならないように、難しくならないように、深い説明にならないように…と意識していたのですが…うん、結構な分量になってしまいました。
読みたいところだけ読んで、疲れたらやめてください。気になることがあったら、また覗きに来てください。ちょっとでも参考になることがあればうれしいです。
でも、書き始められるかどうかは、皆さんの意思次第です。
書き始めなければ、この講座は意味を持ちません。
何かを表現する、作り上げるというのは、とても大きな喜びです。「ちょっと本を書いてみたいんだよね」という皆さんの思いをどうか無くさずに、ぜひ一歩を踏み出してください。